そこに穴があったので、指を突っ込んでみました。
突っ込んだ指先にグッと力を込めて、玉を転がします。そそり立つアレをなぎ倒したくて焦れば焦るほど、思うようにうまくいかなくて・・・。激しく転がしたり、たまにやさしくしてみたり、やりかたを変えていろいろ試してみる。
結局、ストライクはとれなかった。
勝ったらビール奢ってもらうよ!なんて息巻いて、ひさしぶりにボウリングにチャレンジ。最近のボウリング場ってハイテクなのねえ、びっくりしちゃった。
考えてみたら、ボウリングってあまりしたことなかったのよね。しょっぱなからガーターを連発して、早々にやる気を無くすわたし。ピンを倒すよりもお喋りに夢中になりながら、ゲームが進んでいく。
その日はわたしが女王様だということを知っている男子(彼はSMの世界に興味津々らしく、以前からいろいろなことをわたしに質問してくる)も一緒だったんだけど、数ゲーム目の中盤、手が疲れたと駄々をこねるわたしの側につーっと寄って来て、耳元で囁いた。
「腕痛くない?大丈夫?大好きなフィストできなくなっちゃうよ!笑」
・・・ふ~ん、そういうこと言っちゃうんだ。彼にとっては軽い冗談のつもりだったんだろうけど、わたしには誘っているようにしか聞こえなかった。
「じゃあ、わたしが勝ったらフィストね!」
そう勝手に宣言してからのわたしの活躍ぶりは、凄かった。それまで使ってなかったあの風にもしっかりと手をかざし、真剣な面持ちで狙いを定め、慎重かつ大胆に投球する。さっきまでよろよろの球しか投げられなかったわたしの見違えるようなファインプレイっぷりに、他の友人は目が点になってたけど・・・。
わたしの本気(下心満載の)を、舐めちゃあいけない。自分でも驚いたけど、僅差で勝っちゃたんだよねー!もちろんハンデはあったけど相手は男子、当たり前よね。
会計が終わり、何事もなかったかのようにしているその男子の耳元に囁く。
「日程決めて連絡するから」
「えっ、なんの?」
「フィストに決まってるでしょう」
「またまた、冗談だよね・・・」
わたしの顔を見て逃れられないことを悟ったのか、彼の笑顔が消えていく。そんな困った顔、わたしを興奮させるだけなのにね。
・・・さ~て、いつにしようかしら?
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