「脚がきれいな人を見かけるとつい眼で追ってしまう」くらいの軽度なものから「足で踏まれないと射精できない」ような重度のものまであるけれど、わたしが接しているフェチの中で最も多いのは足(脚)フェチだと思う。
その彼は、毎年これくらいの時期にやってくる。年に一度の日本への旅、その中でわたしに会いに来る。毎年少しずつ日本語が上手になっているけど、未だに「七女王様」と言っているつもりで「ななおじょうさま」とわたしを呼ぶ(かわいいから訂正しないでいるんだけど)。
彼はわたしの前に跪くと、わたしの足にキスをする。全ての足の指の先にキスをし終えると、あまりに残念そうな顔をしてわたしの足から口を離すから、優しいわたしは彼にわたしの足を貸してあげることにする。大事そうに抱えて唇を付けたり舌を這わせたりされているその足は、わたしのものなのにおまえのものになってしまった気がする。よくもそんなに夢中で愛でられるものだなとたまに意地悪して邪魔してみるんだけど、まるでわたしの足に触れている部分以外の感覚を失ったように何も反応しない。ただただ幸せそうな顔をしてわたしの足に口づけている。すごいね、その情熱。
「このあしは、わたしのたからものです」拙い日本語が、余計にかわいらしい。そんなわたしの宝物は、彼が毎回書いてきてくれる手書きのカードです。
(これレタリングしてあるんだよ、凄いよね)
| Home |