何されても、叫べないわね。
部屋に響くのはなにかが空を切るヒュンという鋭い音と、柔らかな肌を打ち据えたときの弾けるような音、それにくぐもった僅かな声だけ。
どれだけ打たれても、おまえは逃げることも赦しを乞うことも耐えるために奥歯を噛み締めることもできない。おまえの口の中には、おまえの大好きな、真っ赤なペディキュアのわたしの爪先。なにがあっても、おまえはそこに丁寧な舌奉仕をしなければいけないものね。それがわたしたちの約束だもの。
もしも、おまえが舌の動きを止めたら
もしも、おまえがわたしの肌に歯を立てたら
どんな酷いお仕置きをしてやろうかと考えながら、わたしはおまえを打ち据え続ける。もう既に酷い仕打ちをしているというのにね。
そういう形の無い拘束も好きです。
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