おまえのあのときの顔は、よく覚えている。
おまえを押し潰しながら振り向いて、真っ白なわたしの下で色付くおまえを見ているからね。
散々押し潰されたそのあとに、おまえは笑いながら言った。
「あなたの顔よりも、あなたのお尻を覚えている」
ねえ、街ですれ違ってもわたしはおまえに気付けないよ。だってあの顔してないでしょ?おまえもわたしに気付けないかもね、真っ白なお尻は隠しているから。
おまえに許されるのは、わたしのそこにキスすることだけ。わたしの感触を、味を、匂いを、重さを、よく覚えて。わたしがおまえを覚えられないぶん、ちゃんと覚えておいて。
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