やっぱり、わたしは男の困った顔が好きだ。
眉がぎゅっと下がって情けなくって、少し不貞腐れてもいて、でも何故か昂揚しているあの顔。そんな顔して、わたしの事挑発してるんでしょう。
今日もいっぱいわがままを言って困らせて、そして丸め込んだ。
最初は困った顔をして・・・そしてすぐに丸め込まれてしまうんだね。それともそういう振りをしているの?そうしたほうが自分が気持ち良いから?
だとしたら、おまえはわたしと共犯だ。
言いくるめて虐めて困らせて気持ち良いわたしと、騙されて蔑まれて振り回されて気持ち良いおまえ。
どちらのほうが質が悪いか、それはどちらかに限界が来るまでわからない。
「SMには興味があるんだけど、自分がマゾかどうかもわからないし、痛いのも怖いのも熱いのもイヤで、あんまり経験なくって・・・」
おまえがマゾだろうがマゾじゃなかろうが、わたしにとってはどーでもいいことなのである。
飛んで火に入る夏の虫よろしく、優しそうに見えるわたしのもとにまんまとやってきた間抜けなおまえ。心の中で舌なめずりするわたしの前で、おまえはもじもじと御託を並べている。
そんなくだらないこと言う口だったら、いらない。
おまえの口は、ただわたしの役に立つためだけに付いてるのよ。
「大丈夫よ、怖くないから~」
にこにこと微笑みながら、おまえに近づいていく。目を見つめ、顔を近づけ、おまえの頬を優しくさすり・・・
カ~~~ッ、ペッ
いい?おまえの口は、喋るために付いてるんじゃないんだよ。おまえの口は今からわたしの痰ツボ。さっきまで優しく頬を撫でていたわたしの手のひらはいま、おまえの口を強引に塞いで嚥下を促している。
「ほら、ぐずぐずしないで飲みな!」
口調までもがうって変わって乱暴になったわたし。そして、さっきまで自分はマゾじゃないなどとほざいていたおまえも、熱に浮かされたような甘い目でぼんやりとわたしを見つめている。
やっぱり、男の口は、喋るために付いてるんじゃないのね。
厳重に、彼の動きを封じ込めていく。
腕はミイラのように胸の前でクロスさせたまましっかりと固定し、足は二本をひとまとめにした後、更に折りたたんでぐるぐる巻きにまとめる。
もちろん、声も視界も奪う。
分厚く何重にも巻かれたストレッチフィルムからは、ふたつの孔だけがかろうじて覗いている。その頼りない呼吸だけが、おまえに許された生き物としてのただひとつの行為。
ただの置物になったおまえで、どうやって遊ぼうか。
体も動かせない、口もきけない、何の反応もない、ただ息をするだけのおまえのことを、人間だなんて思えない。鼻だけがついている、ただのオモチャ。
じゃあ、その鼻をいじめてやろう。
惨めに転がったおまえの鼻の上に、私はゆっくりと跨って・・・
そんなわけで、ラップ責めブームはまだまだ続いています。
新春のお喜びを申し上げます。
ただひたすら突っ走って来て・・・気付けばまた、新しい一年をこの場所で迎えることが出来ました。今年も更なるパワーアップを目指して、新しいことにトライしていきたいと思っています。
今年も見守って、そして付いて来てちょうだいね。
皆さんにとっても、幸多い一年でありますように。
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