普段あんまりテレビを観ないし、そしてテニスにも特に興味があるわけではない・・・にも関わらず、ウィンブルドンだけは割としっかり観ていました。
理由は、彼らです。ボールボーイ(正式にはボールパーソンだっけ?)。
彼ら見たさにテニスを観ていたと言っても過言ではない。
観衆の誰もが、コートを見ている。
視線は選手の行く方に、ボールの行く方に。
それなのに、誰の目にも留まることないままかしずく彼ら!
ひたすら待って、走って働いて、でも誰の興味を引くわけでもなく。
う~ん、エロい!悪くない!
・・・また妄想してしまった。
「やだ、そんな男!」
「だって顔がかっこよかったんだもん、しょうがないじゃない!」
「昔からそういう男にだまされるよね?」
「ていうか、結局ダメ男が好きなんだよね、Kは~」
「やっぱり付き合う男は一発ヤってから決めないと。」
昼間からシャンパンを片手に、下世話なガールズトークに花が咲く。
黒く豊かな美しい髪をルーズなアップにまとめたK、細い身体によく似合うネイビーのワンピースを着こなしたM。私の数少ない、気の置けない女友達だ(余談だけど、ほんとうに私には女の子の友達が少ない。だって、きれいで面白くてお酒が飲める子じゃないと嫌なんだもん)。
高層のホテルの一室、持ち込んだフェリーニのDVDをBGMに、お喋りとシャンパンはとどまることを知らない。ああ、もうグラスが空になっちゃった。
「ねえ、シャンパン。」
ソファに腰掛けた私たちの足元にかしずく「ソレ」を、爪先で軽く小突いて催促する。
「駄目じゃない、ちゃんと気を配らないと。」
「ソレ」は、慌てて私のグラスにシャンパンを注ぐ。
おどおどとテーブルを見回し、残り少ないMのグラスにもシャンパンを注いだ。
「そう、ちゃんとしてね。」
私の大事な女友達に、完璧なサービスをしてね。私たちの一挙手一投足に気を配って。足元にかしずきながら、三人にまんべんなく目を配るんだよ。
「だから、セックスしてから男の価値は計りなよ」
「だって、やっぱり顔がかっこいいほうがいいもん!」
「男は顔じゃないんだよ、カラダだよ」
「うわ、オッサンみたいな発言・・・」
日曜の昼下がり、私たちは男の話で盛り上がる。
足元の男を無視して。
ああ、私だけのボールボーイが欲しい。
ちなみに私はテニスが苦手。
睾丸以下、バレーボール以上のサイズの球技は得意なのにな。
私はサラダが嫌いだ。
あんなウサギみたいな食べ物喰えるか!って思うのだ。
どうせお腹を満たすんだったら、もっと食べた気するものを食べたいのだ。
みんなほんとうに美味しいと思ってるのかな、草が。
私は喫煙者だ。
煙草をやめようと思ったことなど一度もない。
煙草が・・・というよりも、煙草を吸っている生活が好きなのだ。
健康?煙草吸ってようが吸ってなかろうが、人間死ぬ時は死ぬじゃない。
私は血液型占いを信じない。
血液型の話をしていて、たまに腑に落ちることがあっても信じない。
だって、たった四つのタイプに分けられるなんてあり得ない。
同じAB型だからって、あの子と私は違うでしょ?
・・・と少し書いてみただけでおわかりの通り、私は頑で、(へ)理屈っぽくて、へそまがりで、そして圧倒的に自分が大好きなのだ。自分の脳みそだけでジャッジを下して生きてきた。
SMにおいても然り。
ああ、このひとをめちゃくちゃにレイプしたい。私のてのひらが腫れ上がるまで殴りたい。ゲロ浴びせたい。汚したい。できれば家で飼いたい。辱めてやりたい。ああ、ゾクゾクする。わかんない。これ、なんだっけ?
自分の欲望には非常に忠実に、でもわからないことや出来ないことには目をつぶってやってきたフシがある。もっとひどいと、自分の欲望とちっぽけなプロ意識の狭間で揺れたり。・・・ていうのがほんっとーに格好悪いな、ということに気付いてしまったのです。いや、おかげさまで気付かされました。
私は格好いいオンナを目指しているのに、こんなのダサ過ぎる。
もっと格好良くなりたい。骨抜きにしたい。でも骨抜きにするには力がないと、圧倒的な。
そんなわけで、私ちょっと頑張っちゃうから。
でも、気をつけて。
これ以上格好良くなっちゃうと、おまえメロメロになっちゃうかもよ?
この間クレアさまに吊られて、今日は碧稀さまに鞭打たれた。
へぇ~、って思った。
「M男ってすごいなあ」とか「なるほど、ここがこうなるのね」とか。
アナログかつ頑固な私には、こういう成長の仕方が合っているみたいです。
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