随分と髪が伸びた。
いままであまり髪を長く伸ばさなかった理由・・・それはわたしが面倒くさがりだからです。
ヘアケアでもボディケアでも、手を掛けたいときには徹底的に手入れする。オイルマッサージやパーツごとのスクラブ、スカルプケアやホットタオルも欠かさない。でも、長い髪を洗ったりトリートメントを馴染ませたり乾かしたり・・・そういうのが面倒な日だってあるんだもの!
そんなわたしは、男の子に髪を洗ってもらうのが好きだ。
扱い慣れない長い髪にこわごわとブラシを通し、顔や耳が濡れないようにそっとお湯を流す。シャンプーの泡立てが足りなければ文句を言い、うっかり髪を引っ張りでもしようものなら叱り、ぎこちないシャンプーはようやく終わる。丁寧に馴染ませるトリートメント、タオルドライ、アウトバストリートメント、ドライヤー、仕上げのブラッシング・・・そこまでやって、ようやくおしまいよ。どんなに手間がかかるかわかったでしょう?
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三助であるわたくしの仕事は、お湯を沸かすことから始まります。
七様のお好きなお湯加減・・・38℃から39℃くらいのぬるめのお湯に、薔薇のオイルとバスソルト。お湯加減がぬる過ぎても熱過ぎてもいけません。オイルとお塩を入れ忘れてもいけません。少しでもお気に召さないことがあれば、七様はわたくしに手酷い仕打ちをお与えになるに違いありません。
全裸に下着一丁・・・入浴のお手伝いに適した格好のわたくしは、もうもうと薔薇の香りの湯気がけぶるバスルームで正座してお湯の溜まるのを待ちます。湯気のせいか、それともわたくし自身の汗のせいか、下着がじっとりと湿り肌にまとわりつきますが、これを脱ぐことは許されておりません。わたくしの無様な肉体は七様のお目に触るだけでしょうし、また、以前犯してしまったある粗相の反省も含め、わたくしは下着姿のままで七様のご入浴のお手伝いをすることになっているのです。
「そろそろ、いいかしら?」
バスルームのドアを開けて、七様が覗きにいらっしゃいました。お湯の量と薔薇の香りを確かめて、七様が仰います。「脱がせて。」
ワンピースの背中のジッパーを下ろし、ストッキングを破らないように丁寧にお脱がせし、繊細なランジェリーをそっと外すと、そこには生まれたままの七様のお姿があります。
あんまりまじまじと見ていれば、七様はお気を悪くなさるに違いありません。初めてお風呂のお手伝いを申し付けられたとき、初めて目の当たりにする七様の裸に興奮し、恐れ多くも勃起させてしまったのです。「おまえ、三助のくせにどういうつもり!?」そんなわたくしを七様は激しく攻め立て、とても厳しいお仕置きをなさったのです。
(続く)
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