ゆっくりと縄をかけていく。
変なストレスがかからないように、簡単には抜けないように、それでも体を捩らせる余裕があるように、バランスを見ながら縄をかけていく。
優しい?ううん、それは優しさなんかじゃないの。これから始まるゲームのために、わたしはギリギリのバランスでおまえを絡めていく。糸に絡まる獲物を眺める蜘蛛の眼で、慎重におまえを捕らえていく。
さあ、逃げなさい。これからおまえとわたしの約束の時間が始まる。
制限時間までにおまえが縄を解いて逃げられたら、おまえの勝ち。ご褒美に、おまえの言うこと何でも聞いてあげる。おまえがしたかったあんなことやこんなこと、させて貰えるかもね。
でも、時間になってもおまえが逃げられずにいたら、わたしの勝ち。そのときは、おまえの心も身体も、わたしの好きなようにさせてもらうよ。
ねえ、でもこのゲームがフェアに行われると思う?わたしはわたしが負けないために、精一杯おまえの邪魔をするよ。おまえの呼吸を止めて、おまえを惑わせて、邪魔をするよ。おまえもわたしの邪魔をしたければすればいい、もしもおまえにそんな余裕があるならね。
もうすぐ逃げられるかという頃には、もうおまえ、逃げたくなくなっているんじゃない?こうしてずっとわたしの足元をのたうちまわって、赦しを乞い続けたいんでしょう?おまえの待ち望んだご褒美はすぐそこにあるのに、それでもおまえはこの苦しくて惨めな状況を選ぶんだよね・・・ふふ、変なの。
全く逃げられないのも好きだけど、こうやって余裕を与えるのも好き。懸命に足掻くその様に、救いようのない愛らしさを感じます。
そんなわけで、ちょっと流行りそうです、縄抜けプレイ。本来緊縛はあまり好きではないんだけど、こういう哀れさを引き立てるように使う縄は好きみたいです。
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