「そう、そのまま顔上げるんじゃないよ」
不愉快にまとわりつく熱波から隔離された空調の効いた部屋、冷えた石の床の上に小さく身体を丸めたおまえの頭の上からわたしはそう声をかける。
「わたしがいいって言うまで動くんじゃないよ、もしも少しでも動いたら・・・」
おまえの身体から伸びる電極コードを引っ張ると、小さく震えたように見えた。・・・そう見えただけだよね?いまさっき動くなって言ったばかりなのに、動くはずないわよね?
「少しでも動いたら、わかるよね?電気。」
そうして丸くなったおまえの背中にハイヒールの踵をどっしりと乗せると、わたしは読みかけの本を開く。いま居るこのおかしな世界から、儚くロマンチックな世界への逃避行。いつまでって?わたしの気が済むまでよ。
だいたい何をされても喜んでしまうおまえへの、これは最も効果的なお仕置き。終わりも見えない、いつもの「おゆるしください」も通用しない、最も効果的な責め。いつまで保つかしらね?でも今日はおまえから止めることはできないのよ。プレイを始めるのも終わらせるのもすべてわたしの意志だってことを、今日はおまえにもう一度わからせてあげるわ・・・。
地味に嫌なことって好きです。
痛みや苦しさはいつか終わるのを知っている。頭を真っ白にして耐えていれば、いつか終わりが来る。でも、自分で噛み締めなくてはならないこんな地味なプレイの中では、いつもと違う惨めさや屈辱が生まれるような気がします。「放置プレイ」とも少し違う、ただ待つことしかできない苦しみ。
最後にお知らせ。
10月11日(木)
10月12日(金)
通常出勤の曜日ですが、お休みをいただきます。例によって香港です。良い子で帰りを待っててね!
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