ぷつぷつと浮かんでは消えてゆく儚い泡を舌で感じながら、グラスを置いた。赤い口紅のかすかに残るシャンパングラスの下の、濃淡の木の色を組み合わせた小さなサイドテーブル。そしてその下の、もっと小さなおまえ。
「一緒にシャンパンを飲みましょう」
それはわたし達の秘密の合い言葉だ。
テーブルに置かれた小皿からナッツをつまんでガリガリと噛み砕く。わたしのハイヒールの底からその振動を感じているのか、おまえも小さく震えたような気がした。
わたしはシャンパンとナッツと小さな悦びを、今夜のお供にする。
おまえのお供はわたしが差し出すシャンパンと・・・
最近、聖水と黄金を「シャンパンとトリュフ」と言い換えるのがマイブームです。
| Home |