わたしは犬を飼っているのですが(ほんものの犬だよ、念のため)、甘えながらも忠実な眼をしてわたしを見つめる彼を見ていると「ああわたし、にんげんでよかったなあ」としみじみ思うのです。
わたしはにんげんなので、好きなときに出掛けられる、好きなときにごはん食べられる、好きな服を着られる。もしも嫌なことがあればそこから立ち去る自由もあるし、くだらないこと話してゲラゲラ笑う自由もある。小難しいこと考えたり、邪なこと考えたり・・・そう、SMだって出来る。ああ、よかったヒトで!!(疲れているときなんかは「ごはん、散歩、寝る」な彼を少し羨ましく思うこともあるけど笑)
そんな人間同士でしている筈のSMなのにね。
ふたりきりになった瞬間、おまえは人間であることを止めてしまう。人間に許されている筈の権利をすべて放棄して、ただわたしの足元で赦しを乞うだけの生き物に成り下がる。
そう、おまえがどうなってしまうかは、すべて私の手に委ねられているんだよ。おまえの悪癖を叱るのも、躾けるのも、芸を仕込むのも、全部わたしの役目。人間ではないおまえに、選択権も決定権もあるわけがない。わたしに嫌われないためには、ただわたしの言うことを聞けばいいの。どんなに酷いことされても、おまえには飼い主に逆らう権利なんてないんだよ。
・・・あーにんげんでよかった!!!
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