【サラシミイラの成れの果て】
おまえの皮膚感覚でさえも、わたしにとっては邪魔なものなのです。
決してセンシュアルではない肌触りの無機質な木綿で全身を覆われたおまえは、もはや人間ではないものになってしまった。ほんのわずかな動きですら、きしきしとしたサラシの感触で封じ込まれてしまう。
その無機質なおまえを、わたしの有機的な感触とにおいで責め立てる。クリーンな白い布は、そのうちわたしの穢れをひたひたと吸い込んで、おまえを責め抜く凶器に変わる。
ねえ、おまえもう、逃げられないよ?
全身にわたしの悪意を纏って、そこから逃げられないまま絶望の淵に追いやられるしかないんだよ?おまえのからだとわたしの匂いが混じり合って同化してしまうまで、わたしは責めることを止めない。だっておまえ、わたしに侵されるために生かされているんだもん。そしてわたしは、おまえを侵すために生きているんだもん。
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